不貞行為にあたらなければ慰謝料請求はできないか

不貞行為とは,「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と『性的関係を結ぶこと』」とされていますが,ここでいう「性的関係」とは,性交渉そのものだけではなく,性交類似行為も該当すると考えられています。                  裁判例では「第三者が相手配偶者と肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とはいえない」(東京地裁平成17年11月15日)としているものもあります。                                               したがって,性交渉や性交類似行為を伴わない行為であったとしても,他方配偶者の婚姻共同生活の平和を毀損するものであれば,違法性を有し,不法行為に基づく損害賠償請求として,慰謝料を請求できると考えられ,実際に裁判で慰謝料請求が認められているケースもあります。                                                           とはいえ,性交渉や性交類似行為を伴わない行為の場合に認められる慰謝料の金額は,性交渉を伴う行為と比較して低額にとどまる可能性が高いと考えられます。

 <参考裁判例>

東京地裁平成20年12月5日判決

「被告は,Aとの間で,婚姻を約束して交際し,Aに対し,原告との別居及び離婚を要求し,キスをしたことが認められ,これらの事実は少なくとも,Aの離婚原因となる民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」の発生に加担したものということができ,原告に対する不法行為を構成するというべきである。」として,性的肉体的交渉自体が存在したとは断定できないこと,未だ離婚に至っていないこと,被告に積極性があると認めるに足りることを考慮して,被告に250万円の支払いを命じました。

東京地裁平成24年12月21日判決

不貞行為があったとまでは認められないが,情を通じ合うようなやりとりをし,その際,接吻したり抱擁したりした行為も不法行為になる,と判断しています。

                                                            以上

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